フットサル大会 当日
- 2020.11.28
- 交際期間の中で

2016年6月某日東京
フットサルに向けての準備と練習をへていよいよ開催当日となった。期待と不安が1:99ぐらいの割合で会場までの電車に乗り込む。
「久しぶりにサッカーできるからすごい楽しみだ。」
一緒の電車の中で楽しそうな八谷さん。
「わたしは試合は出ないよ!応援の方頑張る!」
前回の練習でプライドをズタズタにされた彼女はあまりフットサルをやるのに乗り気ではないようだ。30-40分ほど電車に揺られ、東京郊外の会場に到着。すでに会場に大勢の人が集まっていたのだが、そこで八谷さんの顔がこわばった。私たちのチームは前のプロジェクトの仕事仲間で適当に集まったチームでユニフォーム等もないバラバラなジャージを着ていた。が、残りの3チームはというとどうもプロジェクト内のチームというわけではなく、その会社のフットサル部のメンバーのようでおそろいのユニフォームに若手中心のメンバー、体育会系の営業部の面々といった具合だ。
そんななかで開始された総当たり戦。結果はやる前から分かっていた全戦全敗。元サッカー部だけあって、それなりに動けていたが運動不足から後半全く動けない八谷さん。相手のフェイントに上半身だけついて行って下半身が置いてきぼり、一試合目から腰を痛める羽目になった私。ビギナーへのサービスとしてなぜか敵チームから絶好のパスをもらい「エイヤー」の掛け声とともに盛大に空ぶる彼女。全く歯が立たず、意気消沈していた私たちであったが、あまりの力の差に途中から悔しさもなくなり、何とか楽しもうと変な掛け声応援をしたりで、楽しかったとまでは言えないが、久しぶりの運動は気持ちよかった。
が、「2度目はないだろう。」と大会後の飲み会での八谷さんのつぶやきは、皮肉にも初めてチームが同じ気持ちになり一つになった瞬間であった。
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