うどんで感動?
- 2020.08.26
- 交際期間の中で

2015年12月某日東京
私たち二人の交際は、いろいろな序盤のステップをすっ飛ばして来た。そんなわけで、相手の家にお邪魔するという一大イベントが特に緊張感もないまま当たり前のことのようになっていた。ただし、彼女の家はシェアルームということもあり、私の家に招くことがほとんどであった。
家にいる間は、「次にどこに行こうか?」を話し合ったり、日本語の勉強を教えたりすることが多かった。そんな家デートで特に思い出に残っているのは昼食での出来事だ。ワンルームのキッチン、包丁を扱うスペースもないような狭さと私の技術でできることと言ったら麺を茹でることぐらいだ。
うどん⇒パスタ⇒時々頑張って焼きそば、そんな自炊と言えるか微妙なラインのおもてなしを彼女はその都度驚いてくれる。
「とってもおいしいです!掘口さん料理お上手ね!お店できるよ!」
家ではほとんど自炊をしないらしく、うどんもパスタもお店で食べるものだと思っていた彼女。喜んでもらってうれしい気持ちと、こんな料理で申し訳ない気持ちとで複雑であったが、彼女の当たり前と私の当たり前が全く違うということに対してこれからの期間不安だなという思いも少しあったがそれよりも今度はどんなことを経験させてあげよう、今度はどんな経験をさせてもらえるんだろうとワクワクする気持ちが芽生えた。