初飲み会①

2014年10月某日東京
今回のプロジェクトは、そこそこの忙しさとメンバが五月雨式に移動していたため、なかなか飲み会の機会がなかった。
しかし前回のファッション問答での約束の件もあり、近場のメンバ5,6人で歓迎会でもしようか!と相成った。行先は何の変哲もない居酒屋であったが、どうやら彼女は大人数の日本人と飲みに行くのが初めてのようで若干緊張していた。
それに、八谷さんと彼女の距離感はかなり近い感じであるが、その他のメンバとは仕事の話やあいさつ程度しか交流がなかったのも緊張の原因のようだ。
かく言う私も、そこまで社交的でもなく何より目立つことが好きではない性分のため彼女とはほとんど関わりがなかった。そんな私と彼女が初めて挨拶以外の直接会話をしたのが駅から居酒屋に向かう道中だった。
八谷さんや私の後輩などほかのメンバは後ろを気にせずどんどん先に進んでいく。私は特に意味はないが、いつも集団の最後尾を歩くのが癖になっていた。2,3分歩いているうちに彼女が前方の集団を見失ってしまったようでキョロキョロし始めた。
「まだまっすぐで大丈夫だよ。」
一瞬びくっとなって、緊張なのかなんなのか、ちょっと申し訳なさそうに「ありがとうございます。」と答える彼女。居酒屋まではあと5分ほど。ちょっと気まずい雰囲気の中、二人で向かうことになりそうだ。
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